Listening能力の解析(1)
ある程度の実力になってくるとOutput能力もついてきて、いいたいこともほぼ問題なくいえるようになり、Writingも目に見えて上達してきます。しかしいつまでも悩ましいのがリスニングです。唯一やり直しができない領域です。Inputは一瞬で通り過ぎていきます。上級者になっても、あるいは一生ついて回る一番ストレスフルな部分かもしれません。
- 前のページでOutputは後半で顕著に上達しますと言ったのとは逆にInputはなかなか目に見えて上達したという実感が沸きにくい領域です。私の経験からは上達と言うよりも殆ど慣れの世界だ、と思うことが多いくらいです。
- 過去に何回かリスニングの幅を拡げよ、といいましたが、ここで言う「慣れ」は幅を拡げるための一番重要な部分のように思います。
- 少し自分の経験を通してその当たりを解析してみましょう。下のチャートをみてください:
- これは私の過去十年くらいの間に仕事上でCommunicationを持つ必要のあった国々の人々の英語のリスニングの難易度をまとめたものです。あくまでも私個人の場合で、これは人によってかなり違うと言うことは言うまでもありません。もう一つ、あくまでもその国で育った人々の英語に限られます。例えば、アメリカで生まれ育ったインド人はこのチャートではアメリカ人ということです。
- 横軸にリスニングの容易さを示しています。右に行くほど聞き取りにくいと言うことです。青色のバーが感覚的に私が思う聞き取り易さを示しています。中央にある点線は2003年現在、これより右にあるのはまだストレスを感じることが多い領域です。
- こうしてまとめてみると四つのこと自分の能力に関係していることが分かります:
- どのくらい長い間その人々と接しているか
- 母国語の特徴に影響される
- どの英語で中級者頃にリスニング能力を形成したか
- 生まれ持った耳の分解能
- 次のページから、これらを一つ一つ少し詳しくお話ししましょう。